一般的に、BODとは5日間の生物化学的酸素要求量「BOD5」のことである。しかし、BOD5では、活性汚泥で生物分解可能な有機物の全てを検出することができない。サンプルに含まれていた細菌や、植種した細菌が5日間に生物分解出来る有機物は、限られているためである。
生物分解可能な有機物の詳細な調査、検討のためには、長期間のBOD測定が有効である。
長期間のBOD測定では、測定期間中に細菌の馴養が進み、生分解(酸化)できる有機物も増えることで、BOD値も増加する。このように、5日以上の馴養で生物分解出来るようになる有機物は、実際の排水処理設備でも生分解出来る可能性が高い。
長期間のBODを測定した場合、14日間のBODを「BOD14」、20日間のBODを「BOD20」などと、BODの後ろに日数を付け加えて表現する。
BOD5は低くても、BOD20が高い値を示す有機物の代表例としては、アセトン、アニリン、エチレングリコール、DMSOがある。これらの有機物は、適切な運転条件であれば、十分に生物処理が可能である。
長期間のBODを測定する場合、圧力センサー方式のBOD測定装置を使用すると、BOD上昇曲線を得ることが出来る。BOD上昇曲線により「馴養の始まりやすさ」「生物処理の進みやすさ」も推測可能である。
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