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活性汚泥呼吸阻害試験(阻害性試験)

活性汚泥呼吸阻害試験とは、化学物質が下水処理場などに流入した場合に、活性汚泥に悪影響(有機物処理性低下や、死滅)を与える濃度を調べるための、環境影響評価試験である。


本試験により低濃度でも阻害性が確認された化学物質は、阻害物質と判断される。


活性汚泥と栄養(有機物)の混合液に、試験対象の化学物質を数段階の濃度で添加する。化学物質が阻害性を示す濃度で、混合液の呼吸量(酸素消費量)は低下する。


活性汚泥呼吸阻害性試験については、OECDテストガイドライン(TG 209)で詳細が規定されている。


活性汚泥呼吸阻害試験で阻害性が確認されても、生分解性が高い物質であれば、活性汚泥に悪影響が出ない場合も多い。例えば、酢酸は殺菌作用があり、阻害性の高い物質であるが、生分解性が高い。従って、酢酸が曝気槽に流入しても、活性汚泥の分解能力以下の量であれば速やかに分解され、曝気槽内の酢酸濃度は低く維持できる。その結果、酢酸による活性汚泥への阻害性は出ない。


なお、活性汚泥呼吸阻害試験では「硝化阻害性のみが高い阻害物質」を検出することが難しい。「硝化阻害性のみが高い阻害物質」の一つにアリルチオ尿素がある。アリルチオ尿素は硝化反応のみを阻害するため、c-BOD測定時に使用される。


活性汚泥阻害性試験
フェノール濃度5mg/L程度で阻害性が認められる。


【参考】

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