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休転(空曝気)

排水処理設備を長期間休転(空曝気)した場合、活性汚泥中の微生物は、徐々に飢餓状態となる。


休転が長期化するとともに活性汚泥は自己消化し、MLSSは低下する。自己消化と並行し、フロック性状も悪化する場合が多い。汚泥沈降性(SVSVI)は悪化し、処理水にはSSが増加する。また、自己消化の結果、菌体として保持されていた窒素分やリン分が、菌体外に放出される。


おおよそ2週間以上休転すると、活性汚泥の活性(有機物処理能力)も大幅に低下する場合が多い。難分解性の成分を多く含む、製紙排水や石油化学計の排水では、休転後にCODカット率が低下する場合が多い。


排水処理設備の度立ち上げの際には、活性の低下を考慮し、段階的な処理量増加が望ましい。また、処理水の全窒素全リンが大きく増加している場合も多いので、注意が必要である。


このような休転(空曝気)の弊害を緩和するためには、多少なりとも有機物負荷を添加することが望ましい。通常時の負荷の1/10程度の有機物負荷(BOD容積負荷)を掛けられれば、自己消化は低減し、MLSS濃度は維持できて、活性も維持できる場合が多い。


休転(空曝気)対策として、専用の栄養剤をラインアップしている水処理薬剤メーカーもあるので、相談してみると良い。

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