排水処理設備が処理した有機物量に対する汚泥の発生量を、汚泥転換率と言う。
例えば、BOD汚泥転換率とは、BOD流入量(kg)に対する、汚泥の増加量(kg)であり、
「余剰汚泥濃度(mg/L)×余剰汚泥引き抜き量(m3/日)」÷「排水BOD濃度(mg/L)×排水量(m3/日)」
等の計算式で計算される。
一般的な活性汚泥でのBOD汚泥転換率は、30〜50%である。石油化学系排水でのBOD汚泥転換率は、20%以下となる場合もある。
汚泥転換率は、
・BOD汚泥負荷が低い場合。
・BOD容積負荷が低い場合。
・SRTが長い場合。
・曝気槽温度が高い場合。
に低くなる傾向がある。
温度の影響に関しては、冬季より夏季のほうが汚泥転換率が低い傾向が、しばしば見られる。
余剰汚泥を削減するためには、汚泥転換率が低下するように運転操作すれば良い。
運転操作の例として、
・BOD汚泥負荷を低くするために、MLSSを高くする。
・BOD汚泥汚泥負荷を低くするために、曝気槽に担体を投入する。
・曝気槽温度を高くするために、温度低下の原因である希釈水の量を減らす。
などがある。
汚泥転換率は連続試験により確認することも出来る。排水処理設備を新設する際には、事前の連続試験により各種条件下(BOD汚泥負荷、BOD容積負荷など)での汚泥転換率を確認すると良い。汚泥転換率が低下する条件で装置を設計することにより、装置導入後の大幅なランニングコスト(余剰汚泥)削減が期待できる。
【参考】
酸化促進型の汚泥減量剤→ ソーレス
お気軽にお問い合わせ下さい。
Comments