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油分(油脂)

油分は、排水の生物処理(活性汚泥)にとって、処理が非常に困難な成分である。


油分の生物処理が困難な原因としては、

・水に溶けないため、細菌による吸収、分解がされにくい。

栄養塩(窒素、りん)が不足する。

・未分解の油分が活性汚泥に蓄積し、沈降性(SVSVI)が悪化する。

 その結果、適切なMLSS濃度を維持できなくなる。

糸状菌放線菌が発生しやすくなる。

・油分流入により、設計当初のBOD容積負荷を上回る。DOが不足する。

などがある。


油分含量はノルマルヘキサン抽出物質量として表せる。一般的に、排水のノルマルヘキサン抽出物質量が50mg/L程度を上回ると、生物処理は困難になる。


排水中の油分除去設備としては、オイルトラップや加圧浮上装置がある。


食品工場などにおいて、配管洗浄により配管に付着していた油分が剥がれ、曝気槽に一度に流入する場合がある。注意が必要である。配管洗浄を苛性ソーダで実施した際には、油分と苛性ソーダが反応し、石鹸が出来る。その結果、曝気槽で激しく発泡することもある。


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