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分散型バルキング

フロックが小型化、分散化したり、フロックを形成しない分散菌が増加するタイプのバルキングを、分散型バルキングという。フロックの小型化、分散化により、汚泥沈降性(SVSVI)は悪化し、沈殿槽の汚泥界面は上昇する。

また、微細なフロック、分散菌は沈殿槽で全く重力濃縮されないため、通常サイズのフロックが沈殿後も、沈殿槽の汚泥界面上に浮遊し続ける。その結果、処理水の透視度は低下し、SSも増加する。


分散型バルキングであるかどうかの判断は、顕微鏡観察でフロックのサイズを確認すれば良い。


分散型バルキングの原因は、過負荷、または低負荷である場合が多い。


過負荷が原因の場合は、分散増殖といわれる状態になる。

低負荷が原因の場合は、全体的にフロックのサイズが小さくなり、またピンポイントフロックといわれる小形(50〜100μm)のフロックも増加する。


過負荷が原因の場合は、有機物負荷の低減が最善策であるが、実施は難しい。一次処理として油水分離、加圧浮上や凝集沈殿がある場合はそれらの運転条件を最適化することで、活性汚泥への負荷を低減できる場合がある。


低負荷が原因の場合は、MLSSを低くすることで、BOD汚泥負荷が増加し、改善する可能性が高い。


過負荷、低負荷、いずれが原因の場合も、負荷量やMLSSの調整が出来ない場合は、汚泥沈降剤での対応が効果的である。適切な汚泥沈降剤を選定すれば、汚泥沈降性(SV、SVI)は改善する。汚泥沈降剤の効果により、分散菌やピンポイントフロックが、通常サイズのフロックに取り込まれるため、SS、透視度も改善する。

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